『親友とカップ麺』
「ほらよ」
出迎えてくれたのは、おれの家にもストックしてある安いカップ麺だった。
「さんきゅ! このカップ麺、すきなんだよ」
「ったく、連絡もせずいきなり来るか? 普通」
「おれが普通じゃないの、おまえが一番知ってるだろ」
「俺はね、忙しいの。お前と違って。彼女来てない日でよかったよ」
「一人暮らししてるとさあ、誰かと一緒にメシ食いたくなるときがあんだよ。おれは恋人いねえしさ」
じゃあ作れば良いじゃん、なんてことは言わないやつだと知ったうえでこんな言い方をするんだから、おれは嫌なやつだ。
「せっかくだし酒も飲もうぜ! ビールとかある?」
「お前なあ……ちょっと待ってろ」
残酷なほど、優しいやつ。
親友という距離感が、おまえの優しさに甘えることを許してくれるなら、今の関係が、一番、一番幸せだ。
でもさ、ひとりでこのカップ麺を食べるたびに、おまえと過ごした今日のことを思い出すんだろうな。
これ以上しょっぱいカップ麺なんて、食えたもんじゃねえのにな。
あとがき
相手が彼女と別れてくっつくもよし、他の男が現れてくっつくもよし。
カップ麺の種類やストーリーの続きはご自由にご想像ください。
お読みいただきありがとうございました!


